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百合。同性愛に嫌悪のある方はバックリターン。 おんなのこばかりのイラストをのそのそ更新。 無断転載・無断使用・二次加工・再配布等を禁止。
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ごろん。


徐に寝返りを打つ。

プリンセスだけど、キングサイズのベッドで。


ちょうど真上を向いたと同時に、影が顔を覆った。

綺麗な琥珀色の瞳がこちらを覗き込んでいた。


「どうしたの、ソフィー」



今日は有名な貴族の娘であるソフィアが逢いに来ていた。

立場が立場なだけにあまり逢う機会がなく、1時間ほど前、今居る自室に2人で入るなり性急に体を求められた。

恥ずかしいけど嬉しい。

私だって逢いたかったんだよ、という想いを込めて熱いキスに応じた。

最中だって綺麗な顔を崩さないソフィアが、今日は少し苦しげな表情をしていたのを 熱で浮かされつつも視界の端に捉えていた。



「…ステラは今、幸せ?」


本当に訊きたいことは他にあるんじゃないの。

そう思ったけれど、彼女の切なそうな何かに耐えるような表情を見ていたら、何も言えなかった。


「幸せよ。とっても。ソフィアがこうやって逢いに来てくれるだけで、幸せ。」


何か他にも言わなければ。

きっと彼女は何かに安心したい。

だから言葉を繋ぐ。


「逢いに来て私を愛してくれることで、幸せを倍、感じられるの。」


貴女が必要なの。

言葉にして伝えて、貴女の心が少しでも愛に満たされるなら。

その貌にまた笑顔が戻るなら。

私は幾らでも言葉を紡ぐ。


「ありがとう、ステラ。私は貴女の存在に救われている…。」

「私もよ。……貴女に逢わなければ、私は外の世界を見ようとも思わなかった。」


ソフィアが嬉しそうに微笑む。

少し潤んだ瞳を見上げながら、顔の横にある彼女の腕にそっと触れる。

やっと笑った。

その事実が嬉しいのだと、この掌から伝わればいいのに。

このぬくもりは、貴女のものだと言えたらいいのに………。


「……私は…貴女無しでは生きられない。」


私の肩口に顔を埋めてポツリと漏らした呟きは、私の鼓膜に悲しく響いた。





















お互いを求め合うことが、お互いを苦しめる。

解っていても、離れられない。


貴女がいない世界なんて、要らない。

たとえ苦しくても

貴女が其処にいるだけで、私は……








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taito
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女性
自己紹介:
白桃とカシスと
百合がスキ。

花はスイートピーがスキ。
お酒はカシスピーチ。
シャーリーテンプルもいいよねぇ~

今は、カロリの白桃カクテルを賞味中。


http://momotokashisu.blog.shinobi.jp/
サイト名:白桃とカシス

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