ふと、目が覚めたら…

シャー…・・


何処かから微かに聴こえる水音に、ふと目が覚めた。

そういえば自分の入浴後、ルナが「シャワー浴びてくるね！」とか言ってたっけ。

少しの暇を持て余していたら、うっかり軽く眠っていたらしい。

無意識とはいえ、なんだか恥ずかしいので、ルナには黙っておこう…。



…・・……・・・


うとうと…




ぎしっ…

「…ん…」



目が覚めると、目の前にルナがいた。

「あ・・れ？るな？」

また眠りに入ってしまっていたらしい。

寝起きの所為か、上手く呂律が回らない。

意識がまだふわりふわりと浮遊している感覚。そんな私をじっと見つめているルナと目が合う。

「…………」

「…………」

あまりに真剣な眼差しに瞠目し、言葉を失う。

どうしようかと視線を泳がせると、ルナが自分に覆い被さるような格好になっていることに気付く。

まるで襲われているようだけど…まさか…ね。



「何…してるの？」

とりあえず聞いてみる。

「……ユーリャが襲ってくれないから…」

襲ってみた。と、いうことだろうか。

まだ幼いのに、襲う襲わないという単語を口にするのはどうなんだろう。

もう少し成長してからで良いんじゃないかと思っている私とルナは、時々こうして意見がすれ違う。

ただひとつ言えることは、「そういうこと」を抜いてもルナのことは好きだ。

そう素直に言えば、「ユーリャはずるい」と言って、真っ赤になった顔を枕で隠して「おやすみ」と誤魔化されてくれる。

…頬を桜色に染めたルナは、とても可愛らしい。

でも…まだ、早い。

もう少し…もう少し…。








２つめのイラストカラーver(ぬる～い着色)はコチラ　←軽くお遊びな背景(笑)